キッチンカー開業について思うこと
ちょっとキッチンカー開業において思うことをまとめてみました。
このところ、「新しくキッチンカーを始めました」という方を見かけたりします。
揃って聞くのが「テレビで見て、サラリーマンより稼げるっていうことで」と。
最近では友達からもLINEのニュースで芸人さんが、本業よりもキッチンカーで
稼いでいてウハウハです的なものが出ていたと教えてもらいました。
いやいや、何でも商売そうですけど、売れているところばっかりじゃないと思いません?
飲食業、今はみんな苦しんでます。
固定の店舗しかり、キッチンカーしかり。
知っているだけでも、前からキッチンカーをやっている人ですら、
上手く回らないということで、辞めている人も居ます。
今までやってこれたけれど、イベントに頼っていた人は、
イベントが無くなり、別の道に進んでいった人も居ます。
外で食べる習慣が無くなって、というか規制されてから、
人の考え方が変わってきたように思います。
外で食べない=うちで食べる=安い方が良い
もしくは、デリバリーで楽する、なんていうことが出てきました。
となると、必要だと思われる場所に出向くスタイルのキッチンカーの需要は減るわけです。
以前はみんな自由に出かけられないから、マンションのそばでの営業は、需要がありました。
ですが、段々それも無くなってきました。
更には、何の制限もないけれども、感染者はどんどん増えているため、
各自の判断に任せられるようで、企業側で制限したりするところもあります。
外食は基本ダメ、なんていうところもあるようです。
リモートワークも復活して、継続しているようです。
イベントは、規制が無いので、開催されるようにはなってきているものの、
人が出ているかというと、暑いからあまり出ていないようですし、
居ても、買い控えは、かなり進んでいます。
この時期にオフィス街は、本当に閑散として来ています。
もちろん夏休みも手伝っているとは思います。
場所によりますが、普通に出社する場所は少ないようです。
週に数日だけ出社で、リモートワークを継続しているところもあるようです。
なかなかまだコロナの影響が無くなることは先のようです。
「キッチンカーを始めるなら今」なんてうたい文句を聞くたびに、
キッチンカーを作る側のベネフィット、使い回される人が沢山増えていることしか感じられません。
上手くいかなきゃ、すぐ辞めて次に移る、それで良いならいいです。
「レストランを始めるよりも安くて簡単!」
なんて言われますが、基本的に飲食の知識も無い人が
急に始めてもできる世界ではないです。
(食に携わったことない人が急に始めると、大抵美味しくない料理を提供されているようです。それでは、リピーターが来なくて当たり前でしょう。)
むしろ、レストランでできないような状況でもやらなきゃいけないので、過酷ではあります。
夏のキッチンカーの車内温度は、50度超えは当たり前です。
温度計は振り切っていて、何度か正確にはわかりません。
人によっては、倒れて、何度か熱中症で病院に運ばれた、なんてことも聞きます。
冬は逆に凍えるような中で、しもやけになることもあります。
快適に仕事できる環境でないことはわかって始めないと、すぐめげます。
甘い世界ではない物を、いかにも簡単に出来るものだと間違った宣伝は
是非とも止めて頂きたいし、それを単純に信じる前に、ちゃんとリサーチすることをお勧めします。
開業セミナーも沢山あるようですが、これも話を聞いてみると、
かなり良いことしか言われていないようです。
実態も、かなり前の売れていた時期のデータを元に話をされていたりします。
このメニューが売れる、と聞けば、みんな同じメニューを始めるわけです。
で、世の中に同じメニューの車が溢れる構図になるわけです。
以前テレビでやっていたのでは、イベントに出て、その帰りにそのまま
ハワイにスタッフみんなで行った、とか。
そんなフェスももちろんあるでしょうが、それはあくまでも、普通に
フェスもコロナの無い時期にあった時の話です。
現実の厳しいところは、ちゃんと現役の人に聞いて回る、なんて方が、正しい話が聞けると思います。
やっている時に、実際何度か話を聞きに来られたこともあります。
そういう方は、ちゃんと準備をする際に、慎重に判断されているんだと思います。
キッチンカー自体、安い買い物ではないですが、開業資金としては、手ごろ、と思う人も居るようですが、それは、回収できてから言えること。
回収できないで辞める人の方が多いと聞きます。
中古車販売でキッチンカーがよく見られるのは、それだけ多く辞める人が居るから。
これをちゃんと見ておかないといけないと思うんです。
始めたは良いけれど、行くところが無い、これが一番のキッチンカーでは困る所です。
売れる現場は、誰しも手放しません。
新しい現場も、育つまでは時間がかかりますが、始めたばかりでは
どの位売れるのが売れる現場なのか、とかもなかなかわからないで、
売れない現場にしがみついて、何とか頑張っていれば売れるようになるはず、
なんて頑張っていたこともあります。
でも、その場所のポテンシャルは見ていかないといけないところです。
この判断はいつになっても、考えさせられるところです。
現場を見つけるのに意外と大変なことはみんな知らないで始めているみたいです。
で、行ける場所が無い、と嘆いているのを目にします。
一か月で数日しか稼働してない、なんていう話もよく聞きます。
これだけ始める人がいきなり増えて、現場が増えるわけでもないので、
当然のことでしょう。
しかも斡旋会社が乱立させて、売れない現場も沢山あるのも現実です。
ですが、斡旋会社はそんな保証はしません。
これだけ売れるでしょう、はあくまでも予測であって、メニューが合う合わないでも曜日によっても変わりますし、同じ日でも違うメニューで売れる売れないも変わります。
なかなか色々考えることが多いですが、現実やってみないとわからないものでもあります。運良く上手く行くこともあるかもしれません。
始めてしまった方は、是非とも頑張って欲しいし、
「キッチンカーだから、不味くてもしょうがない」
「イベントで出ているものだから不味くてもしょうがない」
とかいう評判は頂かないようにして欲しいものです。
切磋琢磨して、少しでも美味しい料理を提供してほしいものです。
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