キッチンカー一筋縄ではいかないこともある

いろいろありますねぇ。

ようやくコロナが５類になったことで、イベントも解禁になったり、
マスク強制だったのが、ゆるくなったり、と変わって来ています。
ですが、一度落ち込んだ飲食業界はそんなにすぐに回復するわけでもないようですし、
一度潰れてしまった店舗はすぐに再オープンが叶うわけではないです。

またどんどんと使う商材、食材、ガソリンも値上がりが続いているにも関わらず、
価格はそれほど値上げできない現実があります。

当店もなんとか頑張ってきましたが、その中、沢山のメディアに取り上げられたことで、
「キッチンカーは簡単で稼げる」という触れ込みで、
仕事するのが嫌だから、キッチンカーなら楽だから始めてみよう、
なんていうお気軽に始めてしまう方が増えたようです。
それゆえ、飲食店の経験もなければ、衛生の観念、
人とのコミュニケーションもできない方も多く出てきているように感じます。
これは人にお金をもらって食べさせていいんだろうか？
というのをちゃんと考えて仕事をするべき、というのが大前提なのが
飲食業界です。
美味しくないものを提供するのは、お家でやっていただくので十分だと思います。
キッチンカーでこういう美味しくない車が増えてしまうと、
「キッチンカーは美味しくない」というレッテルを貼られてしまいます。
あるところでは、ある一台が美味しくなかったから、と他の曜日は
違う車が来るのにも関わらず、一度も行く気にならなかった、という話を聞いたことがあります。
残念でなりません。

全体のイメージをその一台がやったことで決まってしまうのは、非常に残念です。
当然のことですが、個人事業主ともなれば、
売れたら売った分が稼ぎになるわけで、
売れなければ（商売をやれなければ）収入が無くなるのは当然のことです。

そんな中、斡旋業者も増えているようです。
親身になってやってくださる会社もあれば、個人でやってて、結構適当になっていて、
こちらが現場に行って大変な思いをすることもあります。
最初に言われていたことと違う、とか
搬入場所がわからなくて、時間を取られたり、
搬入してから場所が違う、と移動させられたり、
そもそもオーダーが間違っていた、とか、
まさかの施設側とのバッティングメニューで出店させられたり...とか。

あり得ないことも沢山あります。
それゆえコミュニケーション能力も問われます。

こちらは、最低限、人として普通に考えてわかるだろう、というのは、
当たり前のこととして考えていても、違ったりすることは多々あります。
普通にランチ現場でもバッティングメニューは特に気を遣います。
お互いのビジネスを殺しあっても、意味が無いからです。
ましてや施設側にあるメニューを出店するなんて、ありえないし、
わかっていたら、もちろん行きません。

勝手に行って出店できるわけではないのがキッチンカーです。
ちゃんと間に紹介する業者があって、現場のオーナーとの取引があって、
出店を依頼されて、出店しています。
営業許可証があれば、どこでも出店できるもの、と勘違いされている方も居るようですが、
全然そんなことはありません。

始めたは良いけれど、出店場所が無くて、泣く泣く大金はたいて用意したキッチンカーを
手放す、なんていう話をよく聞きます。
見るとピカピカの新車で始めて、わくわくしながら始めたんでしょうが、

あっという間に挫折を味わったのでしょう。
ちゃんとそういう現実は報道されていないし、ケアしてくれる人はいません。
会社に属していれば、座っているだけでもお給料になる仕事もあります（失礼）。

ですが、キッチンカーはちゃんと自分が動いて出店場所を確保し、
そこから始まりで、ちゃんとお客様にアピールできてこそ、

リピーターで人が戻ってきてくれる、という良いループができなければ
商売が成り立ちません。
だからこそ、ひどいものを提供すれば、二度目は無いわけです。
一期一会だからさ、と言われたことありましたが、私はそこをチャンスとして
きちんと対応する、そして、その一回の出会いでも記憶に残るものを作り、
また巡り合うことを心待ちにしてくれるようなお料理をサービスとして提供できれば、
ちゃんと成り立っていくものと思っています。

そこがなかなか理解されないで、キッチンカーを簡単にできるものだと思われて、
飲食未経験の人が始めるのは、

結構短絡的だなぁと思ってしまいます。

当たり前ですが、どんな仕事もちゃんとプロフェショナルなことができてこそ、

ちゃんと商売をして成り立つわけです。
だから、そんな気が向いた時に仕事ができる、なんて思って始めるのは間違いです。

朝５時には起きて、ランチ営業して、その後に買い出しして、
帰って片付けして、次の日の仕込みをして、なんていうと、
自分の時間なんてほぼありません。
ですが、ランチの時間の数時間だけ仕事すれば良いと思う方も多いでしょう。
ほぼほぼ一日が仕事で消えます。
そこを覚悟して始めようとする方は、取り組んでみる必要があると思います。

いろんな意味で、どんな仕事も最低限、やらなければいけないことはあります。

楽してできるなんてことは無いです。
華やかに見える仕事もその裏では、大変なこともあります。

ちなみに、夏の仕事は大変です。
火を使うので、車内は気温５５度を超えて、温度計もわからない温度になります。
熱中症で気を失って倒れた、なんて同業者の方もいました。
これからが夏本番、なかなか健康に気を付けて、というのが厳しい季節がやってきます。
頑張らねば！！

いろいろと書いてみましたが、これからキッチンカーを始めてみようなんて考えている方の
少しアイディアになれば、という思いもあって、書き連ねてみました。